今回も2013年に内閣府が日本を含めた韓国、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデンの7か国の13歳から29歳の若者対象に行った調査からみていきたい。
今回は仕事やジェンダーに関する部分を見ていきたい。


ジェンダーも公正な国、日本?
以下、3つの質問を見ていきたい。
まずは、子どもの育児に関する質問だ。

「子どもが小さいときは母親が育てるべき」と答えた割合
日本  25.4%
韓国 40.6%
アメリカ 60.0%
イギリス 57.4%
フランス 23.0%
ドイツ 60.2%
スウェーデン 29.8%

*平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(内閣府)

ここで特筆すべきなのはスウェーデンの若者よりも、日本の若者は男女の家庭内の役割についてリベラルだということだ。なお、スウェーデンは2014年10月28日に世界経済フォーラムが発表した "The Global Gender Gap Report 2014" では、4位に位置していた国だ。 なお、日本はその報告では、104位だった。


仕事は優先しない国、日本?
次に生きる上での優先事項の中での仕事に関する質問だ。

「生活の中で仕事を優先する」と答えた割合
日本  6.3%
韓国 9.4%
アメリカ 12.5%
イギリス 12.0%
フランス 5.8%
ドイツ 3.1%
スウェーデン 5.7%

*平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(内閣府)

バカンスをとりまくるフランス(偏見かもですが・・・)や福祉国家のスウェーデンより高く、経済発展著しい韓国よりも低いのは理解できるとして、アメリカやイギリスよりも低いのは驚いた。


家庭や子どもができても仕事にはやりがいが生まれない!
「家庭や子どもができると仕事にやりがいが生まれる」と答えた割合
日本  59.2%
韓国 78.9%
アメリカ 72.5%
イギリス 71.9%
フランス 68.3%
ドイツ 78.0%
スウェーデン 70.1%
*平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(内閣府)


この質問の結果は非常に驚いた。
私は、日本の若者はもう少し高いのかと思った。だから残業も多いのかと・・・
でも、仕事にやりがいが生まれていると答えた人数は低く、7か国中最下位だった。
そうなると残業は嫌々おこなっているのであろうか?
(もちろん、若い世代では、そうしたことの想像性が得られないという類推もできる。ただ、その場合、年上の世代から仕事のやりがいなどについて聞く機会が圧倒的に不足しているという異なる類推も生まれる。)
Hard Work
(Photo by Mad Wraith)


社畜は幻想・・・え?
これまでの質問とその回答をみると、日本の若者は仕事人間ではないようなイメージだ。
でも、実際はどうなんだろう。
ここ最近使われる言葉をみれば、「社畜」「ブラック企業」など、身を粉にして働き、休日もないというような労働に対するイメージも多い。
でも、その反面、「フリーランス」や「ノマド」のような言葉も流行ったことがある。
ただ、私の知り合いを見ていると、前者の企業戦士イメージの生活をしている人が多いような気がする。(みんなまじめなだけかもですが・・・)

そうなるとここから考えられることは、日本の若者が本来目指したい社会像や本音と社会の実態が違うということだ。ここで非常に残念なのは、別の投稿記事で紹介したが、日本の若者は社会を自分たちで変えられると認識している比率が低いことだ。結果的に現状の仕組みに載るということを選びがちなのである。

欧米のような社会システムになれとは言わないが、もう少し自分たちが望む生き方ができるようになってもいいんじゃないかと思う。少なくとも、どういう生き方をしたいか話せる場を作っていくことがまずは重要なんじゃないかと思う。